後押さえ
あとおさえ
名詞
標準
文例 · 用例
」 と嘲笑って、車夫に指揮して、一軒店を開けさして、少時休んで、支度が出来ると、帰りは船だから車は不残帰す事にして、さて大なる花束の糸を解いて、縦に石段に投げかけた七人の裾袂、ひらひらと扇子を使うのが、さながら蝶のひらめくに似て、め組を後押えで、あの、石段にかかった。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
私達はロープをはずして、自由な身体になると、深い雪の上をまっしぐらに、小屋を目がけて辷りはじめた、私はいつの間にか、先登になって、腰に躍る写真機と一緒に握ったアルペンシュトックを後押えにつっぱって、柔かい雪を蹶って、ぐんぐん先きに下りてしまった。
— 辻村伊助 『スウィス日記』 青空文庫