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苅麦

苅麦
名詞
1
標準
文例 · 用例
さうして温かい苅麥のほめきに、赤い首の螢に、或は青いとんぼの眼に、黒猫の美くしい毛色に、謂れなき不可思議の愛着を寄せた私の幼年時代も何時の間にか慕はしい「思ひ出」の哀歡となつてゆく。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫
私はよく近所の兒どもを集めて、あかい夕日のさし込んだ穀倉のなかで、温かな苅麥やほぐれた空俵のかげを二十日鼠のやうに騷ぎ囘つた。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫
※倉のほめき思ひ出は※倉の挽臼の上にぼんやりと置きわすれたる蝋燭の火か、黄いろなる蝋燭の火は苅麥と七面鳥の卵とに陰影をあたへ、惡戲者の二十日鼠にうちわななく。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫
苅麥のにほひあかい日の照る苅麥にそつと眠れば人のこゑ、鳥の鳴くよに、欷歔るよに、銀の螽斯の彈くよに。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫
あかい日のてる苅麥に、男かへせし美代はまた鶩追ひつつその卵そつと盜るなり前掛に。
北原白秋 思ひ出 抒情小曲集 青空文庫