寄り子
よりこ
名詞
標準
文例 · 用例
しかし、却って、やっとのことで、張合いが出て来たというように、「おお、いよいよ、御一同、抜かれましたな――が、辻斬りで、年寄り子供を斬るとは、ちがって、お手向いいたす敵手となると、お気おくれがなさるようで――」 花はずかしい美青年の唇の、どこからこんな冷罵が出るかと、思われるようだ。
— 三上於菟吉 『雪之丞変化』 青空文庫
そんな中で育った実枝ではあったが、肉親の思いやりを母親と二人で受けて、年寄り子とも思えないみずみずしさで人並に育っていった。
— 壺井栄 『暦』 青空文庫
むかし古石場の寄子ほど、芸者の数を二階に抱えて、日本橋に芽生えの春。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
しかしこの庄の代官としては、日記文明十八年と延徳二年の条とに、富田某という名があらわれて、その註に「細河被官人薬師寺備後の寄子」とある。
— 原勝郎 『東山時代における一縉紳の生活』 青空文庫
年寄子供連の帰ったあとで、またゝくうちに客席を片づけてダンスホールに一変した。
— 坂口安吾 『淪落の青春』 青空文庫
屋根へ梯子をかけるもの、土蔵の二階へ馳けのぼるもの、船を下して家財を積むもの、厩の馬を放つもの――どこの家も罵りさわざ、泣き叫ぶ声にかりたてられて、かろうじて年寄子供を避難させた始末だった。
— 大鹿卓 『渡良瀬川』 青空文庫
先代先々代からの種ヲヂもおれば、貰い子も寄子も奉公人もいる。
— 柳田国男 『木綿以前の事』 青空文庫
垢のついた仕事着にちょッ切帯、身なりはひどいが、襟元の奥が肌白く見えて、この寄子部屋ではどうしても掃溜に鶴。
— 吉川英治 『醤油仏』 青空文庫