目指し
めざし
名詞
標準
文例 · 用例
シャスタへの登路は、氷河踏査を主とするならば、私たちの路を取らずに、南のマック・クラウド村から登るか、またはやや北行して、シャスタとシャスチナ間の、窪地を目指して登る方が、よかったということを、後から聞かされた。
— 小島烏水 『火と氷のシャスタ山』 青空文庫
又兎も角も折角其家を目指して遙々遠方から尋ねて來た客を、どうしても收容し切れない場合なら、せめて電話で温泉旅館組合の中の心當りを聞いてやる位の便宜をはかつてやつてはどうか。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
それだのにあとから/\此處を目指して町の方から坂を下りて來る人の群は段々に増すばかりである。
— 寺田寅彦 『伊香保』 青空文庫
そして、この宇宙の万物は「草木国土悉皆成仏」(涅槃経は専らこの思想を説き明す)と言って、生物も無生物も、みな満足の状態になれる可能性があり、事実、刻一刻とその境地を目指して進んでいるのです。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
それをしなくても塹壕戦というものは、時に意外の方向に事業なり修業が展開して、予期した境地とは違ったところに成功することもありますが、まあ出来ることならそんな僥倖を望まず、正当に目指したものを得るのが当然ですから、目的への方向を間違えないよう、直観を働かせなければいけません。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
実地のさとりとは、私たちが宇宙の生命の働きのごとく、何物にも自由に応じられ、何事にもみごとに処理して行ける完全無欠の人格者になることを目指して刻々に経験を積んで行くことであります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
船中朝の食事は「スープ」の他冷肉、「ライスカレー」、「カフヒー」それに香料の入つた美麗しき菓子、其他「パインアツプル」等極めて淡泊な食事で、それが濟むと、日出雄少年は何より前に甲板を目指して走つて行くので、夫人も私も其後に續いた。
— 押川春浪 『海島冐檢奇譚 海底軍艦』 青空文庫
荷も石瓦、古新聞、乃至、懐中は空っぽでも、一度目指した軒を潜って、座敷に足さえ踏掛くれば、銚子を倒し、椀を替え、比目魚だ、鯛だ、と贅を言って、按摩まで取って、ぐっすり寝て、いざ出発の勘定に、五銭の白銅|一個持たないでも、彼はびくとも為るのではなかった。
— 泉鏡花 『浮舟』 青空文庫