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額口

ひたいぐち
名詞
1
標準
文例 · 用例
」 案外に淡泊と返事をしたが、これが彼の平生のこんな場合の返事振ではない、額口に皺を寄せて火鉢の縁か何かをチヨンと指で弾いてそれから返事をするのが彼の平生のこんな場合の返事振なのである。
――飜弄さる 蜻蛉 青空文庫
嘉六は池上の様子に一向|頓着なく、顔の割には狭い額口を頻りにハンカチで拭きながら「別に好きというわけでも」と言って苦笑しましたが、「正直のところ、おかしな嚊を持つより無い方が、さっぱりしてますな」 と言って、今度は哄笑しました。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
いくら笑っても愁いの除かぬ切れ目の小さい眼でちろり/\わたくしを眺めながら物を言う間にも額口や袖口のカフスの中の手首をハンカチで拭く所作があります。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
まあ、お額にじつとり汗をおかきになつて……」 おくみは独言のやうに口の中でかう言ひながら、自分の袂の先で額口を拭いてお上げする。
鈴木三重吉 桑の実 青空文庫
二人とも額口から顔、腕、頸と、あらゆる露出個所に、何物かで乱打されたらしく紫色の夥しいみみず腫れが覗いていた。
大阪圭吉 寒の夜晴れ 青空文庫
そして額口に激しい困惑の色を浮べながら、暫くじっと立止っていたが、やがて訊問をすまして台所へ出て来た女中のキミを見ると、歩みよって声をかけた。
大阪圭吉 石塀幽霊 青空文庫
けれどもその顔色は見る見る蒼褪め、額口には一層激しい困惑の色を浮べて今までの元気はどこへやら、下唇を堅く噛みしめながら、顫える指先で盛んに顳※のあたりをトントンと軽く叩きながら、塑像のように立竦んでしまった。
大阪圭吉 石塀幽霊 青空文庫
これは私の額口が、さよう独立的と言いますか後家星と言いますか、生え際が角ばっている。
上村松園 三味線の胴 青空文庫