帰向
帰向
名詞
標準
文例 · 用例
寂照は戒律精至、如何にも立派な高徳であることが人々に認められたから、三呉の道俗|漸く多く帰向して、寂照の教化は大に行われたと云われている。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
(6) 地平線的思想 政事の論議に従事し、一代の時流を矯正して、民心の帰向を明らかにする思想家、素より偏見|僻説を頑守し、衆を以て天下を脅かす的の所謂政事家なるものに比較すべきにあらず。
— 北村透谷 『国民と思想』 青空文庫
これは関東方としては、しかるべき見方であり、また事実その通りに信じているのであるけれども、以て、天下の輿論の帰向とは言われまい。
— 椰子林の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
信仰心とは、心のある一方に会注帰向することにして、余のいわゆる予期意向なり。
— 井上円了 『妖怪学』 青空文庫
この守り札は、「真」の字をもって宇宙の本体、万有の実体、精神の本性、真理の本源等を代表するものとし、これに対して一向専念に礼拝すれば、わが精神中に宇宙の大観を喚起し、心性の帰向を一つにし、良心の集中を促し、たちまち「精神一到何事不成」(精神一到何事か成らざらん)の境遇に至らしむるを得べし。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
信仰心とは、心のある一方に帰向することにて、余のいわゆる予期意向と同一なり。
— 井上円了 『妖怪玄談』 青空文庫
上に立つ者が一たび意を決してこの道に徹底すれば、天下の人心もおのずから仁に帰向するであろう。
— 下村湖人 『現代訳論語』 青空文庫
○ 今日世界の現状は政治、経済、思想各方面とも渾沌として帰向するところをしらない。
— 岩波茂雄 『岩波文庫論』 青空文庫