無理矢理
むりやり
副詞
標準
文例 · 用例
或晩の如き、一人が、彼女を無理矢理に竹山への仕打のことで相談するから立会つて呉れといつて連れ出した。
— ――飜弄さる 『蜻蛉』 青空文庫
いまの私の身分には、これ位の待遇が、相応しているのかも知れない、と無理矢理、自分に思い込ませて、トランクの底からペン、インク、原稿用紙などを取り出した。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫
のちには、その気の弱い町医者に無理矢理、証明書を書かせて、町の薬屋から直接に薬品を購入した。
— 太宰治 『東京八景』 青空文庫
さもなくば、あなたこそ、いやな噂を種に王をおどかし、無理矢理オフィリヤを僕の妃に押しつけようとする卑劣|下賤の魂胆なのだ。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
こがらしの声のあの人は、無理矢理あたしを連れて行きます。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
それを、あなたは、そのわずかな誇りを踏み躙って、無理矢理、口を引き裂いても愛の大声を叫ばせようとしているのです。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
それから十日ほど経って、こんどは大谷さんがひとりで裏口からまいりまして、いきなり百円紙幣を一枚出して、いやその頃はまだ百円と言えば大金でした、いまの二、三千円にも、それ以上にも当る大金でした、それを無理矢理、私の手に握らせて、たのむ、と言って、気弱そうに笑うのです。
— 太宰治 『ヴィヨンの妻』 青空文庫
――無理矢理、自分に言いきかせながら、ひろい湯槽をかるく泳ぎまわった。
— 太宰治 『秋風記』 青空文庫