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鯉魚

りぎょ
名詞
1
標準
文例 · 用例
況んや爾がその肉親のために得るところの鯉魚は、必ずともに靈界天人の感應せる、或はその神祕を啓示するところにならざるべからず。
萩原朔太郎 散文詩・詩的散文 青空文庫
」とて、……及び腰に覗いて魂消ている若衆に目配せで頷せて、「かような大魚、しかも出世魚と申す鯉魚の、お船へ飛込みましたというは、類稀な不思議な祥瑞。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
太夫様にお祝儀を申上げ、われらとても心祝いに、この鯉魚を肴に、祝うて一献、心ばかりの粗酒を差上げとう存じまする。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
「神慮の鯉魚、等閑にはいたしますまい。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
あの漂泊の芸人は、鯉魚の神秘を視た紫玉の身には、もはや、うみ汁のごとく、唾、涎の臭い乞食坊主のみではなかったのである。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
紫玉は、しかし、目前鯉魚の神異を見た、怪しき僧の暗示と讖言を信じたのであるから、今にも一片の雲は法衣の袖のように白山の眉に飜るであろうと信じて、しばしを待つ間を、法壇を二廻り三廻り緋の袴して輪に歩行いた。
泉鏡花 伯爵の釵 青空文庫
それを日本の上田秋成が飜譯して、題も夢應の鯉魚と改め、雨月物語卷の二に收録しました。
太宰治 魚服記に就て 青空文庫
夢應の鯉魚は、三井寺の興義といふ鯉の畫のうまい僧の、ひととせ大病にかかつて、その魂魄が金色の鯉となつて琵琶湖を心ゆくまで逍遙した、といふ話なのですが、私は之をよんで、魚になりたいと思ひました。
太宰治 魚服記に就て 青空文庫