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奇士

きし
名詞
1
標準
文例 · 用例
ここに逗留すること二日、山形の奇士と会して共に北上したということを聞いて、そのあとを追ったが、それから先が茫としてわからなくなりました。
弁信の巻 大菩薩峠 青空文庫
そうしてその一人の奇士に誘われて、どうも松島行きの道を枉げることになってしまったらしい。
弁信の巻 大菩薩峠 青空文庫
かくて北上、勿来の関を過ぎて旅情とみに傷み候へ共、小名浜の漁村に至りて、ここに計らずも雲井なにがしと名乗る山形の一奇士と会し、相携へて出発、同氏にそそのかされて、磐城平より当然海岸伝ひに北上いたすべき道を左に枉げ候事、好会また期し難き興もこれあり候次第、悪しからず御諒察下され度候。
弁信の巻 大菩薩峠 青空文庫
松島の月も心にかかり候へども、この辺まで来ては白河の関、安達ヶ原、忍ぶ文字摺の古音捨て難く候ことと、同行の奇士の談論風発、傾聴するに足るべきものいと多きものから、横行逆行して、つひに今夜白河城下に参り、都をば霞と共に出でしかど、秋風ぞ吹くといふ古関のあとに、徘徊去るに忍びざるものを見出し申候。
弁信の巻 大菩薩峠 青空文庫
それとは別の方面なれど、白河に於ける楽翁公、山形の鷹山公等について同行の奇士より種々逸伝評論を聞き、大いに啓発を蒙り候点も有之候へ共、秋田の佐藤信淵の人物及抱負については、特に感激するもの有之候。
弁信の巻 大菩薩峠 青空文庫
拙堂は精里とその男奇歴落号シテ奇士ト為ス。
永井荷風 下谷叢話 青空文庫
此の如くにして幕府は遂に文政八年に至り異国船|打払の令を沿海の諸藩に伝えたが、その時にはかつて※奇歴落奇士と号せられた竹渓も年既に六十四歳となり、東叡山南の草堂に隠退して「時事懶聞非我分。
永井荷風 下谷叢話 青空文庫
しかし楓江を知る者は皆その胸襟の歴落たるを喜び、目するに奇士を以てしたという。
永井荷風 下谷叢話 青空文庫