副次
ふくじ
名詞
標準
文例 · 用例
私は最初音楽上の技巧について言つたから、そのことでも結論をして置くが、――要するに、すべてその物自体でなくそれを表現することゝかなんだとか、副次的なことでの困難は、何時も生命に座標軸を課することから起るのだ。
— 中原中也 『生と歌』 青空文庫
しかし、この悪さは、すこぶる副次的な悪さである。
— 中島敦 『李陵』 青空文庫
それのみでなく、フィードレルのいった如く、芸術においても真理がその中心問題であり、芸術的真理における実質のみが芸術作品の永続的価値を決定するのであつて、あらゆる他の性質は副次的であり、一時的な効果を基礎付けるに過ぎぬと考えることもできるであろう。
— 三木清 『哲学入門』 青空文庫
真実の愛に立たない分別ある結婚から、男も女もやがてどの位相手をあざむき、自身をごまかす副次結婚や恋愛に陥っているだろう。
— 宮本百合子 『貞操について』 青空文庫
軽いとは思ふんだがどうも老よりだから経過しだいでは副次症を起さんともかぎらんしね。
— 田畑修一郎 『医師高間房一氏』 青空文庫
之に反して史的唯物論の方法から行くと、風俗という現象は方法上一種の副次的操作を要する処の却って高度な複雑な現象なのだ。
— 戸坂潤 『思想と風俗』 青空文庫
この種の項目を副次的な参照としてでなく、正面からその哲学的ヴァリューに於て評価尊重したことは、この辞典が誇ってよい態度だと思う。
— 戸坂潤 『読書法』 青空文庫
科学的認識構成の他の副次的な一半は(併し之とても理論的にも実際的にも右に劣らず重要なのだが)、科学の社会的歴史的根本制約・そのイデオロギー性質であった。
— 戸坂潤 『科学論』 青空文庫