置文
おきぶみ
名詞
標準
文例 · 用例
廿五日、壬子、陸奥国平泉保の伽藍等興隆の事、故右幕下の御時、本願基衡等の例に任せて、沙汰致す可きの旨、御置文を残さるるの処、寺塔年を追ひて破壊し、供物燈明以下の事、已に断絶するの由、寺僧各愁へ申す、仍つて広元奉行として、故の如く懈緩の儀有る可からざるの趣、今日寺領の地頭の中に仰せらると云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
樹明君が不在中に来てくれたらしい、こんな置文句があつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
――その家時の血書の“置文”(遺書)というものが、菩提寺鑁阿寺のふかくに、家時の霊牌とひとつに封ぜられているということを、重なる家臣は知っている。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
……帰国の上は、すぐにも、鑁阿寺の置文をこの眼で拝見せねばならぬ」 経家も立ちかけたが、妙源と顔見あわせると、共に姿を揃えて、又太郎の足もとに、もいちど平伏して言った。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
置文 輿に頼る行程は、牛の背よりもまどろしい。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
――が、その前に、折入って、お願いの儀がございますが」「願いとは」「鑁阿寺の秘封と聞く、家時公の御厨子の“置文”を、お見せ下さいませぬか。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
ぜひ高氏に、このさい、披見をおゆるし下されませ」「えっ、置文を」 ……母は血をひいた面を凝らして子を見すます。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
決して俄な出来心などではございませぬ」「では、いつから」「過ぐる年の、忍び上洛のみぎり、わが家の知行所、丹波篠村の領家へ立ちよりましたさい、書記の引田妙源より、その“置文”の秘を、聞き及びました」「おう、妙源がのう」「薄々には、高氏も前から、存ぜぬことではありません。
— あしかが帖 『私本太平記』 青空文庫
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置文(おきぶみ)とは、一族や子孫に対して、現在および将来にわたって遵守すべきことを書き記した中世日本の文書。近世以後の遺言の原型とされる。
出典: 置文 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0