金鼓
きんこ
名詞
標準
文例 · 用例
舳艫相銜みて、金鼓大に震う。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
秀吉、家康は勿論の事、政宗にせよ、氏郷にせよ、少し前の謙信にせよ、信玄にせよ、天下麻の如くに乱れて、馬烟や鬨の声、金鼓の乱調子、焔硝の香、鉄と火の世の中に生れて来た勝れた魂魄はナマヌルな魂魄では無い、皆いずれも火の玉だましいだ、炎々烈々として已むに已まれぬ猛※を噴き出し白光を迸発させているのだ。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
長順 始めは山の金鼓の音、梵音楽を珍らしみ、勤行唱讃に耽りしが……白萩 そんならお前は、私のことはうち忘れてか……長順 止観の窓を押し開き、四教の奥に尋ね入れば、無明の流れは法相の大円鏡智と変りはすれ……白萩 ……はれ。
— 木下杢太郎 『南蛮寺門前』 青空文庫
所謂 Jobel 年制(Hebraios 語 Jobel 金鼓)である。
— 森鴎外 『古い手帳から』 青空文庫
紅の緒の金鼓寄せぬと覚まさばやよく寝る人を憎む湯の宿 京の舞姫を詩題に使つたもの若い晶子さんのやうなのは先づない。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
「金鼓」は軍鼓で、但し紅い紐がついてゐるから女持の軍鼓である。
— 平野萬里 『晶子鑑賞』 青空文庫
あんなに金鼓をたたきながら、何だか大声に喚いてゐる。
— 芥川龍之介 『往生絵巻』 青空文庫
若き尼 あれあれ、あの金鼓の音に驚いたのか、鶏が皆屋根へ上りました。
— 芥川龍之介 『往生絵巻』 青空文庫