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鯉鮒

こいふな
名詞
1
標準
文例 · 用例
さて、潮のさし引ばかりで、流れるのではありません、どんより鼠色に淀んだ岸に、浮きもせず、沈みもやらず、末始終は砕けて鯉鮒にもなりそうに、何時頃のか五、六本、丸太が浸っているのを見ると、ああ、切組めば船になる。
泉鏡花 春昼 青空文庫
其の上、主が居て住む、と云ふて、今以て誰一人釣をするものはねえで、鯉鮒の多い事。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
……ぢや、老爺さん――老人が貴下なら、貴下が坊主に話された、と云ふ、城ヶ|沼の鯉鮒は、網で掬へば漁はあるが、畚に入れると直ぐに消えて、一尾も底に留らぬ。
泉鏡太郎 神鑿 青空文庫
お前はこれから手をまわして、この近所で池鯉鮒様の御符売りの泊っているところを探してくれ。
お化け師匠 半七捕物帳 青空文庫
それが池鯉鮒の御符売りであることは半七にもすぐに覚られたので、物に馴れている彼も思わず胸をおどらせた。
お化け師匠 半七捕物帳 青空文庫
これ、池鯉鮒さまの罰があたるぞ」 泥坊と人なかで罵られた男も、やはり四十前後の男で、紺地の野暮な単物を着ていた。
お化け師匠 半七捕物帳 青空文庫
蛇を種に遣ったところは巧く考えましたね」「その蛇は御符売りのを盗んだんですか」「本所の安宿に転がっていると、丁度そこへ池鯉鮒の御符売りが泊り合わせたもんだから、それからふと思い付いて、その蛇を一匹盗んだんです。
お化け師匠 半七捕物帳 青空文庫
わたくしは最初に女中のお村というのに眼をつけていたんですが、これはよく寝込んでいて全くなんにも知らなかったということが後で判りました」「それにしても、あなたはどうして池鯉鮒の御符売りに手を着けようと考え付いたのです」 それが私には判らなかった。
お化け師匠 半七捕物帳 青空文庫