幻辞.com

草屋根

くさやね
名詞
1
標準
thatched roof
文例 · 用例
路の右手に夕陽を浴びた寺の草屋根が見えて来た。
田中貢太郎 不動像の行方 青空文庫
花を摘み、木栂をとりなどして、小半日もあちこちと遊び歩き升て妹は草臥れたとて泣出し升たから、日影の草原へ腰かけて息んで居升と、間近に見える草屋根の家から、ばあさんが古手桶を下げて出て参り升て、私どもの腰かけてる側の小川の中へ手桶を浸し、半分ほどはいつた水を重気に持あげ升た。
若松賤子 黄金機会 青空文庫
その町筋の或部分には、やつぱりぼろ/″\の草屋根の下に、思ひ/\の、惡どい色をしたのれんの下つた家が澤山あつて、その後から頭ばかりてか/\光らせて白粉をべた/″\になすつた、狐の面のやうな女が、洗ひざらした、薄汚い着物の膝をだらしなく崩して、通るものを見さかひもなく調弄つた。
鈴木三重吉 赤い鳥 青空文庫
關東地方の農家を見慣れた眼には、特色のある草屋根の形と線とを見つけるのもめづらしい。
島崎藤村 山陰土産 青空文庫
近くには士族地の一部の草屋根が見え、ところどころに柳の梢の薄く青みがかったのもある。
島崎藤村 岩石の間 青空文庫
腐りかけた草屋根の軒に近く、毎年虫に食われて弱って行く林檎の幹が高瀬の眼に映った。
島崎藤村 岩石の間 青空文庫
最早山の上でもすっかり雪が溶けて、春らしい温暖な日の光が青い苔の生えた草屋根や、毎年大根を掛けて干す土壁のところに映っていた。
島崎藤村 岩石の間 青空文庫
丁度、日の光が灰色な雲の間から照りつけて、相生町通の草屋根の雪は大な塊になって溶けて落ちました。
島崎藤村 旧主人 青空文庫