本床
ほんどこ
名詞
標準
文例 · 用例
床の間は床板を張って室内の他部と判明に対立することを要する、すなわち床の間が「いき」の条件を充すためには本床であってはならない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
奥座敷上段の広間、京間の十畳で、本床附、畳は滑るほど新らしく、襖天井は輝くばかり、誰の筆とも知らず、薬草を銜えた神農様の画像の一軸、これを床の間の正面に掛けて、花は磯馴、あすこいらは遠州が流行りまする処で、亭主の好きな赤烏帽子、行儀を崩さず生かっている。
— 泉鏡花 『湯女の魂』 青空文庫
毛ピンが一本床に落ちていた。
— 宮本百合子 『舗道』 青空文庫
幅二間からある本床でなければ、第一丈がたりないといつた立派さだつた。
— 長谷川時雨 『「郭子儀」異變』 青空文庫
惣治は一本一本床の間の釘へかけて、価額表の小本と照し合わせていちいち説明して聴かせた。
— 葛西善蔵 『贋物』 青空文庫
部屋かずは二つあって、階段を上ったところが四畳であり、その奥に十畳の間、それに二間の立派な本床が附いている。
— 酒井嘉七 『ある完全犯罪人の手記』 青空文庫
うしろは本床と違い棚で、こちらから襲われる心配はなかった。
— 山本周五郎 『艶書』 青空文庫
そこは八帖と六帖の二間続きで、八帖のほうには本床があり、山水の大幅が掛けてあった。
— 山本周五郎 『屏風はたたまれた』 青空文庫