烏有
うゆう
名詞
標準
nonexistence
文例 · 用例
アレヨアレヨといううちに西北の烈風に煽られて、見る間に数十町歩を烏有に帰したので、都の消防が残らず駈けつけるなぞ、一時は大変な騒ぎであったが、幸いに人畜に被害も無く、夜明け方に鎮火した。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
是に於て才子は才を馳せ、妄人は妄を恣にして、空中に楼閣を築き、夢裏に悲喜を画き、意設筆綴して、烏有の談を為る。
— 幸田露伴 『運命』 青空文庫
宿業に依って炎上し、神の意志に依って烏有に帰する。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
が、椿岳の最も勝れた蒐集が烏有に帰したといっても遺作はマダ散在している。
— ――過渡期の文化が産出した画界のハイブリッド―― 『淡島椿岳』 青空文庫
今年の春の祭の時に余興として鎧武者の戦争劇を演じたところ、楽屋から火を発して村中にある二十体の鎧兜を悉く烏有に帰せしめ、今では質屋に遺つた私のそれが唯一のものとなつてゐる。
— 牧野信一 『バラルダ物語』 青空文庫
このカントの立派な創作は畢竟自然の永遠性に対する彼の熱烈な要求を表わすもので、しかもよほどまでは真理に近いものであるが、自然科学的批判の下にはいわゆる烏有に帰してしまうのである。
— スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 『宇宙の始まり』 青空文庫
こゝに烏有先生といふ談理家ありけり。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
烏有先生は何故に談理家となりぬるか。
— 森鴎外 『柵草紙の山房論文』 青空文庫
作例 · 標準
例句