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賢婦

けんぷ
名詞
1
標準
文例 · 用例
この能役者は、木曾の中津川に避暑中だつたが、猿樂町の住居はもとより、寶生の舞臺をはじめ、芝の琴平町に、意氣な稽古所の二階屋があつたが、それもこれも皆灰燼して、留守の細君――(評判の賢婦人だから厚禮して)――御新造が子供たちを連れて辛うじて火の中をのがれたばかり、何にもない。
泉鏡太郎 十六夜 青空文庫
されど現時一般女学校の有様を見るに、その学科は徒に高尚に走り、そのいわゆる工芸科なる者もまた優美を旨とし以て奢侈贅沢の用に供せらるるも、実際生計の助けとなる者あらず、以て権門勢家の令閨となる者を養うべきも、中流以下の家政を取るの賢婦人を出すに足らず。
福田英子 妾の半生涯 青空文庫
成程叔母は賢婦でも無い、烈女でもない、文三の感情、思想を忖度し得ないのも勿論の事では有るが、シカシ菽麦を弁ぜぬ程の痴女子でもなければ自家独得の識見をも保着している、論事矩をも保着している、処世の法をも保着している。
二葉亭四迷 浮雲 青空文庫
現に今日世上に名ある有為の紳士賢婦人など言う輩にして、母の手に育てられたる者は少なからざる可し。
福沢諭吉 女大学評論 青空文庫
賢婦家を興し愚婦家を亡ぼす。
福沢諭吉 女大学評論 青空文庫
例へば在昔佛帝第一世の先后「ヂョセフ※ン」は名高き賢婦人にして、常に皇帝の内行を助けて其失を彌縫し、宮中府中を問はず人心をして離散せしむるなきを勉めたりしが、皇帝が一旦の變心にて皇后を廢してより、忽ち内外の人望を失ふたることあり。
福沢諭吉 帝室論 青空文庫
故に、以下少しくこの貞操なる賢婦人の性行事業について、話してみようと思う。
穂積陳重 法窓夜話 青空文庫
特別な賢婦人ならイザ知らず、若い女の心は道理よりも感情に傾きやすいから感情を以て良人を択んだら十人が九人まで大間違を起します。
秋の巻 食道楽 青空文庫