鼯鼠
むささび異読 むざさび・ムササビ
名詞
標準
Japanese giant flying squirrel (Petaurista leucogenys)
文例 · 用例
落葉が朽ちるのか、根が水を吸うのか、巻き葉が拡がるのか、虫がささやくのか、風が渡るのか、その静かな音、音ある静かさの間に啄木鳥とむささびがかっかっと聞こえ、ちちと聞こえる声を立てる。
— 有島武郎 『フランセスの顔』 青空文庫
誰々だって、そういいましたら、伊豆の伊八、四丁艪の甚太夫、鯰の勘七、縄抜の正太郎、飛乗の音吉、秋刀魚の竹蔵、むささびの三次、――あのこの人の声だったんです、私に奥様のことを教えましたのは、」 夫人はお鶴の記憶の可いのと、耳の敏い、利発さと、そのかくのごとき運命とに、ただ何となく慄然とした。
— 泉鏡花 『わか紫』 青空文庫
が、筋向うの格子戸の鼠鳴に、ハッと、むささびが吠えたほど驚いて引返して、蔦屋の門を逆に戻る。
— 泉鏡花 『第二菎蒻本』 青空文庫
大熊、羆、山猫、とらはんみょう、むささび、麝香鹿、馴鹿。
— 北原白秋 『フレップ・トリップ』 青空文庫
彼は、仲間で木鼠ともむささびとも仇名をとっていた。
— 菊池寛 『奉行と人相学』 青空文庫
むささびが、梢から梢へ身を移す如く進退が敏捷であったからである。
— 菊池寛 『奉行と人相学』 青空文庫
言いつつむささびのように身を翻えすと、もう姿が闇の中に吸い込まれていったあとでした。
— 続旗本退屈男 『旗本退屈男 第二話』 青空文庫
八ツざきにしても飽き足りぬのは、オロシャの陸軍少佐と称したデフレ何とかウイッチの、むささびのような面構えであった。
— 本庄陸男 『石狩川』 青空文庫