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恋猫

こいねこ
名詞
1
標準
cat in heat
文例 · 用例
撒き水のまだ溜り残っている行潦を、春の名残りの恋猫が足を気色悪るげに振って渡り過ぎる姿が、先き角の小学児童用品店の灯で、痩せさらばった影に匍います。
岡本かの子 生々流転 青空文庫
家根伝いに浮かれあるく恋猫の痩せた姿を見るようなことは甚だ稀です。
岡本綺堂 二階から 青空文庫
・昼も虫なく咲きこぼれたる萩なれば・風がふく障子をしめて犬とふたり・ここへも恋猫のきてさわぐか闇夜・ゆれては萩の、ふしては萩のこぼるゝ花・みごもつてこほろぎはよろめく・どうでもかうでも旅へ出る茶の花の咲く・朝は早い糸瓜のしづくするなどは 九月三十日霧雨、午後は晴。
種田山頭火 其中日記 青空文庫
明方やつと眠りついたと思つたら、恋猫のために眼覚めさせられた、いがみあひつゝ愛し、愛しあひつゝいがむのが、彼等の此頃の仕事だ、どうすることもできない本能だ。
種田山頭火 其中日記 青空文庫
高声は山ゆきすがたの着ぶくれてゐる 寒い朝の、小鳥が食べる実が赤い 曲ると近道は墓場で冷たい風・寒い裏から流れでる水のちりあくた・南無地蔵尊冴えかへる星をいたゞきたまふ・恋猫が、火の番が、それから夜あけの葉が鳴る 雪でもふりさうな、山の鴉も寒さうな声で 二月三日 曇、雪もよひ、寒い冷たい、時雨。
種田山頭火 其中日記 青空文庫
追加   (伊豆海岸、信濃路、その他にて)また一枚ぬぎすてる旅から旅へ水の上はつきり春の雲はてなき旅の遠山の雪ひかるあれがふるさとの山なみの雪ひかる街の雑音しづもれば恋猫の月枯葦の一すぢの水のながれ春風のテープちぎれてたゞよふ手から手へ春風のテープ 三月一日 緑平居、雪、霜、霙。
種田山頭火 旅日記 青空文庫
恋猫が切ない声で鳴いてうろつく。
種田山頭火 其中日記 青空文庫
殊にその日が、カラリと晴れた明るい日であったならば猶更のこと、恋猫のように気がせかせかとして、とても家の中に籠ってなぞいることは出来なかった。
蘭郁二郎 腐った蜉蝣 青空文庫
作例 · 標準
春の夜、どこからか聞こえてくる恋猫の鳴き声が、独り身の心に妙に寂しく響いた。
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「外が騒がしいと思ったら、また屋根の上で恋猫たちが追いかけっこをしているな」
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恋猫の季節になると、普段はおとなしい飼い猫も窓の外をじっと眺めて落ち着かなくなる。
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