洗い晒し
あらいざらし
名詞
標準
文例 · 用例
近づきてとくと視れば、浅葱地に白く七宝|繋ぎの洗い晒したる浴衣の片袖にぞありける。
— 泉鏡花 『義血侠血』 青空文庫
彼は洗い晒しの着物を着て、木綿の袴を穿いて、人間の一生を暗い冷たい墓所の番人にささげているのである。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
妻君は肌寒の襦袢の襟をかき合せて、洗い晒しの不断着を縫う。
— 夏目漱石 『吾輩は猫である』 青空文庫
私の服装を検査するかのように、一わたり見上げ見下すと、黙って私を部屋の隅に連れて行って、向い合った壁の中途に引っかけてある、洗い晒しの浴衣を取り除けた。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
【映画】 正木博士は羊羹色の紋付羽織、セルの単衣にセル袴、洗い晒しの白足袋という村長然たる扮装で、入口と正反対の窓に近い椅子の上に、悠然と葉巻を吹かしつつ踏ん反りかえっている。
— 夢野久作 『ドグラ・マグラ』 青空文庫
寝台の上の寝具は洗い晒した金巾と天竺木綿で、戸棚の中には小桶とフライパン、その他の台所用具が二つ三つきちんと並んでいる。
— 夢野久作 『暗黒公使』 青空文庫
屋根裏の窓に引っかかっている春の夜の黄色い片割月を見上げながら、洗い晒しの綿ネルの単衣一枚に細帯を一つ締めて、三階の物置の片隅に敷いてある薄ッペラな寝床から脱け出した。
— 夢野久作 『継子』 青空文庫
洗い晒しの印袢纏に縄の帯。
— 夢野久作 『芝居狂冒険』 青空文庫