謡を謡う
うたいをうたう
表現動詞-五段-ウ行
標準
to recite an utai (noh chant)
文例 · 用例
先ず謡を謡うてみなさい」 という訳で初同を謡わせられた。
— 夢野久作 『梅津只圓翁伝』 青空文庫
俄|分限者や、高持ち百姓などが、むつかしい文句には無関心で、謡を謡うて居るのを聞いた時と同じ心持ちが、唐船や、小壺の場の長ぜりふの間に起りました。
— 折口信夫 『芝居に出た名残星月夜』 青空文庫
「それでいて、碁を打つ、謡を謡う。
— 夏目漱石 『彼岸過迄』 青空文庫
あまり結構な身分じゃないが、主人とは古くからの知合いで、仕事も仕官の口もなきゃ、当分来ていちゃどうだと言うから、人の門口に立って、下手な謡を謡うよりはと思って、二年越し世話になっているんだが――」 そんなことを、少し重い口調で話すのです。
— 女の足跡 『銭形平次捕物控』 青空文庫
謡を謡うとか、角力を見るとか、芝居を見に行くというくらいに、政治の趣味がないといかぬ。
— 大隈重信 『政治趣味の涵養』 青空文庫
地謡を謡う顔も、笛をふく白い顔も、いつかみな濡れていた。
— 黒白帖 『私本太平記』 青空文庫
甲府の近くにある国玉の大橋などは、橋の長さが、もとは百八十間もあって、甲斐国では、一番大きな、また古い橋でありましたが、この橋を渡る間に猿橋のうわさをすることと、野宮といううたいをうたうこととが禁物で、その戒めを破ると、必ずおそろしいことがあったといいました。
— 柳田國男 『日本の伝説』 青空文庫