弄筆
弄筆
名詞
標準
文例 · 用例
特に月々の「文藝春秋」に出すアフォリズム風の文字(侏儒の言葉)は、機智のために機智を弄する弄筆者流の惡皮肉で、憎惡的にさへ不滿を感ぜずに居られなかつた。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
米鹽のために心にもないことを書いてる、賤しい戲文弄筆の徒だ。
— 萩原朔太郎 『室生犀星に與ふ』 青空文庫
秋夜弄筆 日かず経て呼子鳥啼かずなりしを、それかともききあやしみて外のもに出づれば、音に澄みて鳴けるは遠き蟋蟀なりけり。
— 三好達治 『測量船』 青空文庫
私よりもずつとずつとあなたの近くにゐる、一人の男が顔に蠅をとまらせて昼寝をしてゐる頃に――秋夜弄筆 我が性は生れて粗野なりければ、初めは嗜むでものを感ぜしが、いつしかその嗜は病の如くに、心はともすれば顫へて止まらず、幾たびか人に軽んぜらる。
— 三好達治 『測量船拾遺』 青空文庫