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注ぎ込み

つぎこみ
名詞
1
標準
文例 · 用例
執筆者へ渡す謝礼の金まで注ぎ込み、印刷屋への払いも馬券に変り、ノミ屋へ取られて行った。
織田作之助 競馬 青空文庫
木村さんは米国でいろいろ事業を企てていらっしゃるんだけれども、どうもお仕事がうまく行かないで、お金が注ぎ込みにばかりなっていて、とてもこっちには送ってくだされないの、わたしの家はあなたも知ってのとおりでしょう。
有島武郎 或る女 青空文庫
だからさ、あの男が鎮静注射から醒めた時が、事によるとこの事件の解決かもしれないのだよ」 法水は相変らず茫漠たるものを仄めかしただけで、それから鍵孔に湯を注ぎ込み、実験の準備をしてから、演奏台のある階下の礼拝堂に赴いた。
小栗虫太郎 黒死館殺人事件 青空文庫
すると、法水は食器棚の中から、取り出した水を鍵孔に注ぎ込み、その中に、氷と食塩で作った寒剤を加えたが、そうしてややしばらくするうちに、鍵金の外れる音がして扉が開いた。
小栗虫太郎 潜航艇「鷹の城」 青空文庫
徳川氏の覇業を建つるや、恰も漢土に於て儒教哲学の勃興せし時の事とて、文学の権を僧侶の手より奪ひ取ると同時に、儒教の趣味を満潮の如く注ぎ込みたり。
北村透谷 明治文学管見 青空文庫
健全な精神ということは何ごとも論理に従い、熱情をそれに注ぎ込み、科学を無上の精神的風貌だと念じることだと、地中海を中心にした文化の代々の教師は教えて来た。
横光利一 スフィンクス(覚書) 青空文庫
園長の意志を縛ってしまって、彼奴らの意志を代わりに注ぎ込み、かねて用意をして置いた細工を凝らした獣の皮をスッポリ園長へ着せてしまって、そこでおっ放したというものだ。
国枝史郎 沙漠の古都 青空文庫
持ち金の殆んど全部を注ぎ込み、屋根瓦などは焼け跡から自分で拾い集めた。
豊島与志雄 波多野邸 青空文庫