飽喫
飽喫
名詞
標準
文例 · 用例
壁と障子とに仕切られた四畳半の小さな室は、茶人がその簡素な趣味生活の享楽を一※の茶とともに飽喫しようとするには、努めて壁と障子との一重外に限りもなく拡がつてゐる大きな世間といふものを忘れて、すべて幻想と聯想とを、しつかりとこの小天地の別箇の生活のうちに繋いでゐなければならぬ。
— 薄田泣菫 『侘助椿』 青空文庫
壁と障子とに仕切られた四畳半の小さな室は、茶人がその簡素な趣味生活の享楽を一|※の茶とともに飽喫しようとするには、努めて壁と障子との一重外に限りもなく拡がつてゐる大きな世間といふものを忘れて、すべて幻想と連想とを、しつかりとこの小天地の別箇の生活のうちに繋いでゐなければならぬ。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
それが地上に甦生して、さて幾日間明朗な日光とみづみづしい青葉と新鮮な大気とに酣酔し、飽喫し得られることだらうか。
— 薄田泣菫 『独楽園』 青空文庫
殊に爽涼が訪れてきてからは、東京湾口を中心とした釣り場であげた鯛、黒鯛、やがら、中|鱸などの膾、伊豆の海の貝割りのそぎ身と煮つけ、かますの塩焼きなどを飽喫している。
— 佐藤垢石 『すっぽん』 青空文庫
僕等は、額からも胸からもしたたり落ちる汗を拭いながら、熱い佳饌を飽喫耽味した。
— 佐藤垢石 『鯨を釣る』 青空文庫
そして、その飽喫から得た自覚を振りかざして初めて美食美味を語るべきだ。
— 北大路魯山人 『河豚食わぬ非常識』 青空文庫