風知
かぜしり
名詞
標準
文例 · 用例
過去十二年の間に、抑圧によって、僅か三年九ヵ月しか執筆発表期間をもち得なかった宮本百合子は、「播州平野」「風知草」などを発表した。
— 宮本百合子 『婦人と文学』 青空文庫
〔一九四八年三月〕附記 『風知草』『播州平野』『二つの庭』などについて、非常にどっさりさまざまの批評がある。
— ――創造と評論活動の問題―― 『両輪』 青空文庫
この一月に自分の手から一票一票と三百万の票を党におくった人々の心に「風知草」が描いた代々木本部創立当時のおもかげは、何のよびかけももたないだろうか。
— ――一月六日アカハタ「火ばな」の投書について―― 『事実にたって』 青空文庫
「播州平野」「風知草」の基調にあるものが前衛党とその活動家の新しい情勢のもとにおける一つの姿を描いていることは、いくらかでも文学を理解する人ならば否定し得ない点です。
— 宮本百合子 『文学について』 青空文庫
「妻よねむれ」にしろ「私の東京地図」にしろ、「播州平野」「風知草」ことごとく、その種のモティーヴに立ち、作品の本質も戦争による人民生活の破壊、治安維持法が行って来た非人間的な抑圧への抗議であった。
— 宮本百合子 『五〇年代の文学とそこにある問題』 青空文庫
過去十二年の間わずか三年九ヵ月ばかりしか作品発表の自由をもたなかった宮本百合子は、一九四五年十一月頃から「歌声よ、おこれ」などの民主主義文学についての文学評論のほか、「播州平野」「風知草」などにこの作家にとって独特であった解放のよろこびと戦争への抗議を描き出した。
— 宮本百合子 『婦人作家』 青空文庫
私ひとりの身の上にも様々のことがあって、二十年ぶりで林町の家へ引越して来たり、その夏の苦しい気持は、もう引越すばかりになっている家の物干にせめては風知草の鉢でもと、買って来て夜風に眺めるほどであった。
— 宮本百合子 『白藤』 青空文庫
「播州平野」と「風知草」とは、作者が戦争によって強いられていた五年間の沈黙ののちにかかれ、発表された。
— 宮本百合子 『あとがき(『宮本百合子選集』第七巻)』 青空文庫