後ろ指
うしろゆび
名詞
標準
criticizing someone behind their back
文例 · 用例
」「大変長話で貴女も御迷惑でしょうけれど、そういう訳で、私もあの子には世間から後ろ指を差されるようなことはさせたくありません。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
だから彼等に一層のこと、頭からげら/\と笑はれて後ろ指を差されてしまつたのだつたら無事であつたらうに、飽くまでも私達の珍奇な剣闘振りに怖れを抱いてゐる彼等は思はず哄笑を挙げながらも、それに左様な意味を求めて、ひたすら畏怖の眼を視張るのみであつた。
— 牧野信一 『武者窓日記』 青空文庫
」と彼等は途上で私に出遇うと、おとなしい私に恰も憎むべき罪があるかのように軽蔑の後ろ指をさして、「あんな碌でなしの、馬鹿野郎の像をつくるなんて!
— 牧野信一 『ゼーロン』 青空文庫
主人はもと逓信省の官吏を務めていたのですが、いまから十五年前に相当の財産を残して死去し、男勝りの未亡人は三人の子を育てて、他人に後ろ指一本指されないでいままで暮らしてきました。
— 小酒井不木 『愚人の毒』 青空文庫
斉彬の代になるのを待つつもりで、あれ見よ、赤山は、未だ生延びておる、と、後ろ指を指されるのが、嬉しいか」「いや、決して左様な――」「恥を忍んで、斉彬のために尽せ、というのであろう」「はい」「斉彬の代に、近々なるときまっておれば、それでよいではないか。
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
父を、世間から、後ろ指をささせて、一段の儀か」「お家のためには」「何が、お家のため?
— 直木三十五 『南国太平記』 青空文庫
こう思うものの悲しいかなかの女はそれを探偵すべき手がかりがないのであった、父にいえばどんなに叱られるかしれない、十六にもなれば人の目につく年ごろだからめったなことをして奉公人共に後ろ指をさされることになると、あの子の名誉にもかかわる、さりとてうちすておくこともできない。
— 佐藤紅緑 『ああ玉杯に花うけて』 青空文庫
柿沼がたってしまえば、もう、どこへ行こうと、誰かに、或るいは自分の気持ちに、ここから逃げ出したと後ろ指をさされることもないのだ。
— 豊島与志雄 『女心の強ければ』 青空文庫
作例 · 標準
例句