無仏
むぼとけ
名詞
標準
文例 · 用例
平に一夜、御住居の筵一枚を貸したまわれ……」 ――旅僧はその時、南無仏と唱えながら、漣のごとき杉の木目の式台に立向い、かく誓って合掌して、やがて笠を脱いで一揖したのであった。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
至心欲願、南無仏南無仏南無仏。
— 宮沢賢治 『二十六夜』 青空文庫
片隅なる盲翁は、毫も悩める気色はあらざれども、話相手もあらで無聊に堪えざる身を同じ枕に倒して、時々|南無仏、南無仏と小声に唱名せり。
— 泉鏡花 『取舵』 青空文庫
奢を恣まにせば熊掌の炙りものも食ふに美味ならじ、足るに任すれば鳥足の繕したるも纏ふに佳衣なり、ましてや蘿のからめる窓をも捨てゞ月我を吊ひ、松たてる軒に来つては風我に戯る、ゆかしき方もある住居なり、南無仏南無仏、あはれよき庵、あはれよき松。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
たゞ勤むべきは菩提の道、南無仏、南無仏、と観じ捨てゝ、西行独り路を急ぎぬ。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
△有仏のところ止まる勿れ、無仏のところ走過せよ、――私は今、この話頭に自から参じてゐる。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
有仏処勿住、無仏処走過、である、樹明君。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
・有仏のところ留まる勿れ、無仏のところ走過せよ。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫