立て役
たてやく
名詞
標準
文例 · 用例
田舎から出て来たばかりの田吾作が一躍して帝都の檜舞台の立て役者になったようなものである。
— 寺田寅彦 『時事雑感』 青空文庫
たとえば友だちの名をかたってパリへ出かけるいたずら者が、自分の引き立て役に純ドイツ型の椋鳥を連れて行く、その椋鳥のタイプとか、パリ遊覧自動車の運転手とか案内者とか、ベデカと首っ引きで、シャンゼリゼーをシャンセライズと発音する英国老人とかいうのがそれである。
— 寺田寅彦 『映画雑感(2)』 青空文庫
だが、めんくらうことはめんくらいましたが、もとよりそれは一瞬間だけのことで、右門はどこまでもわれわれの尊敬すべき立て役者です。
— 血染めの手形 『右門捕物帖』 青空文庫
おくれてはいってきた伝六も――、いっぱしの立て役者がましく、気味わるそうに青焼き人形をながめては首をひねり、ひねっては名人の顔をうちながめ、ながめてはまたしきりに首をひねって、あのやかましいのが事の意外な変わり方にしたたか肝をつぶしたらしく、すっかり鳴りをひそめたままでした。
— 献上博多人形 『右門捕物帖』 青空文庫
なんのことはない、自分は店の婿養子の引立て役の古顔の番頭みたいなものである、と大寺警部はいつも心の中でひそかにぼやいていた。
— 海野十三 『地獄の使者』 青空文庫
いわば私の引っ立て役で」恋心一生懸命 彦兵衛ニコニコ機嫌がよい。
— 国枝史郎 『任侠二刀流』 青空文庫
つまりなんだ、善人という奴は、引っ立て役に悪人を使い、尊敬されながら悪いことをする。
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫
同情していい引っ立て役だ!
— 国枝史郎 『剣侠受難』 青空文庫