手近い
てじかい
形容詞
標準
文例 · 用例
こうした外国仕入れの知識は何といっても貧弱であるが、手近い源泉から採取した色々の知識のうちで特に目立って多いものは雑多なテクニカルな伝授もの風の知識である。
— 寺田寅彦 『西鶴と科学』 青空文庫
手近い実例の人を動かす力は偉大なものである。
— 寺田寅彦 『雑感』 青空文庫
遠い西洋の大学者の大研究よりも手近い日本の小学者の小研究の方が遥かに切実な印象を日本の生徒の頭脳に刻みつけるであろう。
— 寺田寅彦 『雑感』 青空文庫
妹等はもう何処らまで行ったかと思って手近い旅行案内を取り上げてみた。
— 寺田寅彦 『障子の落書』 青空文庫
手近い例を擧げようならば、人試みに直立して胸を張り拳を固め頭を擡げ視を正しくして、横綱が土俵入りをして雄視するやうな姿勢を取り、そして兩手を動かすこと數分時、或は上下し、或は屈伸し、或は撃つが如くし、或は攫するが如くして、任意に力を用ふれば、忽にして身暖く筋張るを覺ゆるであらう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
手近い例を擧ぐれば、黒闇に脱いだ吾が下駄は、黒闇で穿けるのが當然だが、全氣で脱がなかつた下駄ならば、急に智炬を燃やしても巧く穿けぬのである。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
俚謡に「竹の柱に茅の檐」と唱うのも、「手鍋提げても」と唱うのも、貧即不幸福の妄見を照破してしまっている手近い例だ。
— 幸田露伴 『貧富幸不幸』 青空文庫
手近い例を挙げれば、試みに直立して胸を張って拳を固めて頭を擡げて視線を正しくして、横綱が土俵入りをして雄視するような姿勢を取りそして両手を動かすこと数分、或いは上下し或いは屈伸し或いは打ち或いは引くようにして思うままに力を用いれば、忽ち身は暖かくなり筋が張るのを覚えるだろう。
— 幸田露伴 『努力論(現代訳)』 青空文庫