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濡紙

濡紙
名詞
1
標準
文例 · 用例
それから熱が醒めて、あの濡紙を剥ぐように、全快をしたんだがね、病気の品に依っては随分そういう事が有勝のもの。
泉鏡花 湯女の魂 青空文庫
霜威の凜冽たる冬の夜に、見る目も寒く水を浴びしと覚しくて、真白の単衣は濡紙を貼りたる如く、よれよれに手足に絡いて、全身の肉附は顕然に透きて見えぬ。
泉鏡花 黒壁 青空文庫
濡紙を下へ置いてその上へはしょり込んだ喧嘩かむりというのもある――今この場に、こいつがかぶって来たのは、鼠小僧かむり、或いは直侍かむりというやつで、相当江戸前を気取ったところの、芝居気たっぷりのかむり方でありました。
恐山の巻 大菩薩峠 青空文庫
濡紙を取って呼吸を見るとパッタリ息は絶えた様子細引を取って見ると、咽喉頸に細引で縊りました痕が二本付いて居りますから、手の掌で水を付けては頻りに揉療治を始めました。
三遊亭圓朝 真景累ヶ淵 青空文庫
」「……あなたは、さきほど濡紙で口をふさいだと言われましたが、それでは身体にあんな血の色は残らない、かならず蒼白くなってしまうはず。
三人目 顎十郎捕物帳 青空文庫
此時雲がうすれて西の方へ南を指して下るらしい尾根の一部が朧げに現れた、針葉樹の立木が濡紙にぱたりぱたりと墨をにじましたような影をつくる。
木暮理太郎 黒部川奥の山旅 青空文庫
見ればその青ざめた白蝋のような頬に、一筋サッと真赤な糸が伸びて、そこから濡紙にインキが浸み渡りでもするように、見る見る血のりが頬を濡らして行く。
江戸川乱歩 悪魔の紋章 青空文庫