切りのない
きりのない異読 キリのない
表現形容詞
標準
endless
文例 · 用例
そういう新型式を俳句とか短歌とかいう名前で呼んでよいか悪いかというような問題もあるが、それは元来議論にならない問題であって、議論をしても切りのない水掛け論に終わるほかはない。
— 寺田寅彦 『俳句の型式とその進化』 青空文庫
一ぺんだけ返事を出してよく云って聞かしてやりましょうか」 縺れ出しては切りのないかの女の性質を知っている逸作は言下に云った。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
脱腸をはじめ、数えれば切りのない多くの負け目が、皮膚のようにへばりついていたのだ。
— 織田作之助 『放浪』 青空文庫
ところが偶然というものは続きだしたら切りのないもので、そしてまた、それがこの世の中に生きて行くおもしろさであるわけですが、ある日、文子が客といっしょに白浜へ遠出をしてきて、そして泊ったのが何と私の勤めている宿屋だった。
— 織田作之助 『アド・バルーン』 青空文庫
けれども、その長さと、それから、繰り返しと、切りのないのとには、だれもが退屈をしなければならなかったし、それに、話の中に、いつのまにか、問題と、話の中心とが離れてしまうという困難な欠点があった。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
青江が本当に久能の自殺する気になっていないのを察し切って、あわて出さずにいるらしい、彼女があわて出さずにいれば、自分の方が先にあわて出すだろうと思うと、久能はもう観念の眼を閉じて、青江に負けていてはもう切りのない悲惨だ。
— 豊田三郎 『リラの手紙』 青空文庫
新しい悪口に、「缶切りのない缶詰」話の底を割る「ヤソ教の屋根」トンガラかるな お使いにきた人にお小使いを、「地下鉄の切符だ」やらなくってよい「ぼくの喋っていることは十時過ぎの電車だ」押しも押されもしない
— 三代目 三遊亭金馬 『昔の言葉と悪口』 青空文庫
上を望めば切りのない話だが、ずいぶん世間には不仕合わせな妻も多いことだし、それから見れば自分などは愛せられないと云うだけで外に不足はないのでありながら、その夫を捨て子を捨ててまでもと云うほどの気にはなりきれない。
— 谷崎潤一郎 『蓼喰う虫』 青空文庫