痲
痲
名詞
標準
文例 · 用例
すなわち、縦縞が感覚および感情にとってあまりに陳腐なものとなってしまった場合、換言すれば感覚および感情が縦縞に対して鈍痲した場合に、横縞が清新な味をもって特に「いき」と感ぜられることが可能である。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
嘉代吉と人夫が荷を卸して、油紙で庇を拵えてくれるのを、待ち兼ねて、石の中へ潜って寝た、雨はざんざ降りになって、庇から岩を伝わっては、ポタポタ雫が落ちる、防水布の外套に包まれて、ココアを一杯興奮剤に飲んだまま、飯も喰わずにたわいもなく痲痺したようになって寝た。
— 小島烏水 『谷より峰へ峰より谷へ』 青空文庫
痲痺してしまって平気になった。
— 太宰治 『パンドラの匣』 青空文庫
世間には、心臓|痲痺ということにしてありますけれど。
— 太宰治 『新樹の言葉』 青空文庫
」と亀は大喜びで、「しかし、あまりそんなに興奮して心臓痲痺なんか起されても困る。
— 太宰治 『お伽草紙』 青空文庫
念を推して、「それではよろしゅうございますね」「何かい、痲酔剤をかい」「はい、手術の済みますまで、ちょっとの間でございますが、御寝なりませんと、いけませんそうです」 夫人は黙して考えたるが、「いや、よそうよ」と謂える声は判然として聞こえたり。
— 泉鏡花 『外科室』 青空文庫
痲酔剤は譫言を謂うと申すから、それがこわくってなりません。
— 泉鏡花 『外科室』 青空文庫
せつかく御酒を一つと申されたものを、やけな御辞退で、何だかね、南蛮秘法の痲痺薬……あの、それ、何とか伝三熊の膏薬とか言う三題|噺を逆に行ったような工合で、旦那方のお酒に毒でもありそうな様子|合が、申訳がございません。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫