悶え苦しむ
もだえくるしむ
動詞
標準
文例 · 用例
しかして三節より五節までにおいて彼はまずヨブを責めていうのである、汝かつては人を誨え人を慰めたるもの今|禍に会すれば悶え苦しむは何の態ぞと。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
「悪き人はその生ける日の間つねに悶え苦しむ……その耳には常に怖ろしき音きこえ、平安の時にも滅ぼす者これに臨む……彼は富まず、その貨物は永く保たず、その所有物は地に蔓延らず……邪曲なる者の宗族は零落れ、賄賂の家は火に焚けん」という。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
元来一つであるべきものが無理に二つに引きわけられ、それが一緒になろう/\と悶え苦しむようでもあり、また別れよう/\とするのを恐ろしい力で一つにしよう/\と責め付けられるようでもある。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
一つの道を踏みかけては他の道に立ち帰り、他の道に足を踏み入れてなお初めの道を顧み、心の中に悶え苦しむ人はもとよりのこと、一つの道をのみ追うて走る人でも、思い設けざるこの時かの時、眉目の涼しい、額の青白い、夜のごとき喪服を着たデンマークの公子と面を会わせて、空恐ろしいなつかしさを感ずるではないか。
— 有島武郎 『二つの道』 青空文庫
殺された恋人の首級を見てどんなに女が悶え苦しむか俺はそれが見たいのだ。
— 国枝史郎 『八ヶ嶽の魔神』 青空文庫
悶え苦しむ眼つきで、この妹が僕に同情してくれると僕はぞっとした。
— 原民喜 『火の唇』 青空文庫
悶え苦しむ眼つきで、この妹が僕に同情してくれると僕はぞつとした。
— 原民喜 『火の唇』 青空文庫
「ちょッ、勿体をつけやがって」 と叱るように言って、ややしばらく源は、お隅の悶え苦しむ様を見ておりました。
— 島崎藤村 『藁草履』 青空文庫