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危険区域

きけんくいき
名詞
1
標準
文例 · 用例
もし危険区域脱出の機会が見えたらば、少しの猶予もないようにと、機関室には蒸気が保たれて、出発の用意が整っている。
北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃 世界怪談名作集 青空文庫
私は危険区域の線をこえない範囲でよくさう云ふ風な悪戯な試しをするのであつたが、しかし又事実さうかも知れないと思はれないこともなかつた。
徳田秋聲 微笑の渦 青空文庫
――靄の中に錯綜する微かな雑音が、身辺の危険区域まで近づいてきては遠ざかり、遠ざかってはまた脅かすように羅のすぐ裏まで忍び寄ってくるのだった。
佐左木俊郎 猟奇の街 青空文庫
彼は危険区域へ踏み込まない用心をして、わざと話を不真面目な方角へ流してしまった。
夏目漱石 明暗 青空文庫
その沖の御前の西にはドド根と云う一大|暗礁があって、その附近は古来数限りなく船舶を呑んでいる危険区域であった。
田中貢太郎 真紅な帆の帆前船 青空文庫
薄暗い空気に包まれていた洛中の風物をあとに見て、ようやく危険区域からも脱出し、大津の宿から五十四里も離れた馬籠峠の上までやって来て、心から深いため息のつける場所をその山家に見つけたような人である。
第一部下 夜明け前 青空文庫
二人は明日まで空腹を満すためには、暴徒の出没する危険区域を通過しなければならなかった。
横光利一 上海 青空文庫
彼は周囲の色が、次第に灰白色に変化して来るのを見ていると、もうあたりがいつの間にか、租界外の危険区域であるのを感じた。
横光利一 上海 青空文庫