饉
饉
名詞
標準
文例 · 用例
耕作を忘れたか肥つた農夫よ田舍に飢饉は迫り 冬の農家の荒壁は凍つてしまつた。
— 萩原朔太郎 『蝶を夢む』 青空文庫
耕作を忘れたか肥つた農夫よ田舍に飢饉は迫り 冬の農家の壁は凍つてしまつた。
— 萩原朔太郎 『定本青猫』 青空文庫
(饑饉といふやうな不幸もありはするが、それは一地方といふか一国といふか、とまれ人一人の不幸ではないから断つておく。
— 中原中也 『よもやまの話』 青空文庫
生活は、農民の側では飢饉であった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
彼らは、まるで飢饉地方の住民のように、飛びついて、食べた。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
故に懲治を受けたる者は饑饉においても救われ、戦に出でても死せず、他の獣にも襲わるる事なく、天地万有と相和ぐに至り、衣食住において欠くる所なく、子孫相つづいてこの世に栄え、長寿の幸福を享受するに至ると、これエリパズの語る所である。
— 内村鑑三 『ヨブ記講演』 青空文庫
まだそのほかに、饑饉があるの、地震が起るの、星は空より堕ち、月は光を放たず、地に満つ人の死骸のまわりに、それをついばむ鷲が集るの、人はそのとき哀哭、切歯することがあろうだの、実に、とんでも無い暴言を口から出まかせに言い放ったのです。
— 太宰治 『駈込み訴え』 青空文庫
」 珍しい、金目になるものを奪い取り、慾情の饉えを満すことが出来る、そういう期待は何よりも兵士達を勇敢にする。
— 黒島伝治 『パルチザン・ウォルコフ』 青空文庫