矢尻
やじり
名詞
標準
文例 · 用例
矢は、細身の唐竹を用い、矢尻は鋭い魚骨を用いた。
— 菊池寛 『俊寛』 青空文庫
まだ醉の醒めぬ顏を、ヒューと矢尻を研ぐ北國の正月の風に吹かせ乍ら、意氣揚々として歸つてくると、時は午後の四時頃、とある町の彼方から極めて異色ある一人物が來る。
— 石川啄木 『雲は天才である』 青空文庫
まだ酔の醒めぬ顔を、ヒユーと矢尻を研ぐ北国の正月の風に吹かせ乍ら、意気揚々として帰つてくると、時は午後の四時頃、とある町の彼方から極めて異色ある一人物が来る。
— 石川啄木 『雲は天才である』 青空文庫
体には別に異常もなかったが、持っていた弓も、背負っていた矢も矢筒ぐるみなくなって、僅に矢尻に浸める毒を盛った小さな皮袋が残っているばかりであった。
— 田中貢太郎 『申陽洞記』 青空文庫
それから十分ばかりしてコカインと、安息香酸と、アイヌの矢尻に使うブシという草の汁のアルカロイドの少量を配合した液を注射すると、本人は意識しないまま、脳髄の中の或る一部分が眼ざめる。
— 夢野久作 『人間レコード』 青空文庫
カプセルに這入っている白い粉末ですが、アイヌが矢尻に塗るブシという毒薬から採った薬です。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
いろいろ工夫をして、矢尻りを様々な形に拵へ直すかね、……ところが、その工夫の頭が無い、削り直す小刀はすつかり錆びてしまつた。
— 牧野信一 『「悪」の同意語』 青空文庫
「木槌山の柳の下に、矢尻で掘ったこの印しがあったけのう。
— 無明の夜 『釘抜藤吉捕物覚書』 青空文庫