訓蒙
くんもう
名詞
標準
文例 · 用例
(明治43・11俳誌「木太刀」、その他)島原の夢「戯場訓蒙図彙」や「東都歳事記」や、さてはもろもろの浮世絵にみる江戸の歌舞伎の世界は、たといそれがいかばかり懐かしいものであっても、所詮は遠い昔の夢の夢であって、それに引かれ寄ろうとするにはあまりに縁が遠い。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
「書物も貰った事があるんだがな」 彼は『勧善訓蒙』だの『輿地誌略』だのを抱いて喜びの余り飛んで宅へ帰った昔を思い出した。
— 夏目漱石 『道草』 青空文庫
蜀山人の狂歌に「さ蕨が握り拳をふり上げて山の横つら春風ぞふく」、支那にも蕨の異名を『広東新語』に拳菜、『訓蒙字会』に拳頭菜など挙げいるから、これは一番野猪と蕨を題して句でも作れという事だろうと言うと、妻が横合からちょっとその電信を読みおわり、これはそんなむつかしい事でない。
— 猪に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
「女用訓蒙圖彙」上には、犬張子一双を雛道具の次に圖す。
— 南方熊楠 『蓮の花開く音を聽く事』 青空文庫
我幼時小学にある、勧善訓蒙なる書を得る能はず、借りてこれを手写せり。
— 正岡子規 『病牀譫語』 青空文庫
しかも今日我記憶に存する者は無趣味なる勧善訓蒙に非ずして、当時教科書ならざりし『小学読本』(俗に新読本といひ居たり)中の修身的事実談なり。
— 正岡子規 『病牀譫語』 青空文庫
すでに『唐土訓蒙図彙』に示せる羽民国の人のごとき、また『仏像図彙』に見るところの迦楼羅王の形のごときは、全くわが国の天狗に類するものなれば、これらの想像のよって起こるところなかるべからず。
— 井上円了 『迷信と宗教』 青空文庫
崔世珍の訓蒙字会によると、傀儡の朝鮮語は Koang-tai で、その ng を日本語に移すと、gu になる例であるから、Koang が Kugu となり、ついにクグツになったのであろうと言われるのである。
— 古代社会組織の研究 『くぐつ名義考』 青空文庫