海濤
かいとう
名詞
標準
文例 · 用例
海濤衝激するところにオゾーンの自らにして發し、又松林密なるところに雷大に下る時オゾーンの發生するが如きは、單に地の氣とは云ひ難いが、此等の如きは最も著しく人の心身に影響するもので、地の理の招き致すところであるから、地の氣といふ中に含まれよう。
— 幸田露伴 『努力論』 青空文庫
私はその青螺を海濤の中に見るためにわざわざ日の御崎までも行つたではないか。
— 田山録弥 『隠岐がよひの船』 青空文庫
――「夜深海濤三万里」 いかにも大きな豪壮な趣を味はせる句だ。
— 吉江喬松 『海潮の響』 青空文庫
豪壮な而して微妙な楽の音、寒い雪の野山を響かする「冬の響」よりも、私は夏の夜に、我が地球全体を覆ひ包んで響き立てゝゐる此大きな海濤の音の一層爽かな、一層男らしい響が好きだ。
— 吉江喬松 『海潮の響』 青空文庫
されど風益※甚しく、大雨加はり、松林叫び、海濤咆哮し、戸鳴り、家動く。
— 大町桂月 『北條より一ノ宮へ』 青空文庫
誰か又|小泉八雲と共に、天風海濤の蒼々浪々たるの処、去つて還らざる蓬莱の蜃中楼を歎く事をなさん。
— ―寿陵余子の仮名のもとに筆を執れる戯文― 『骨董羹』 青空文庫
平氏は、真に海濤の勇士なりき。
— 芥川龍之介 『木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)』 青空文庫
故は我今萬物を育つる大地の果に行き、 200諸神を産めるおほいなる*オーケアノスとテーチュスを訪はんと欲す、クロノスを大地の下に、海濤の搖ぎの下にクロニオーン、投げしむかしにかの二神、*レーアの手よりわれを取りその宮中に育みき。
— ILIAS 『イーリアス』 青空文庫