飲み助
のみすけ
名詞
標準
文例 · 用例
その部屋は、造りがまずく、煤で黒くなっていて、天井が低く、すべてその他の点でその時代のそのような場所と大体同じようなものではあったが、それでもその中のここかしこに陣取っている変てこな飲み助連中の評判では、十分によくその目的にかなっているものなのであった。
— 寓意を含める物語 『ペスト王』 青空文庫
アノ飲み助のお医者さんも云い御座った。
— 夢野久作 『爆弾太平記』 青空文庫
このような飲み助の相棒は、あぶらやの仙太親爺ときまっている。
— 矢田津世子 『凍雲』 青空文庫
父はこの頃少し酒をひかえているし、友人はひどい飲み助なので、私が呼ばれて相手になったのである。
— 豊島与志雄 『悲しい誤解』 青空文庫
私と升田は同じテーブルで、こゝは飲み助だけ集る。
— 坂口安吾 『将棋の鬼』 青空文庫
美人女給といふものも甚だ月並なもので、御亭主と懇ろになれば店に居つくが、さもなければ、いつ誰と消え失せるか、ヒモがついたり、無断欠勤の温泉旅行等々、わがまゝ無礼、元来この節の日本人の飲み助どもときては、女よりは酒、少しでも安く酒、たゞもう欠食児童なのだから、女などあてがうのはモッタイない。
— 坂口安吾 『金銭無情』 青空文庫
戸波は大飲み助で、宿酔の不安苦痛、さういふものは良く分り、さういふ時には極度に友達が恋しいもので、その覚えが自ら常にナジミの深いことだから、庄吉の友恋しさに同情して、オーイと庄吉が向ふの家で呼んでゐると、出かけて行つて、無理して相手になつてやる。
— 坂口安吾 『オモチャ箱』 青空文庫
酒も亦牧野さんの人生の一設計で、彼は「飲み助でなければならなかつた」けれども、飲み仲間では誰よりも酒に弱く、酒が時々きらひですらあつた。
— 坂口安吾 『牧野さんの死』 青空文庫