青絹
あおぎぬ
名詞
標準
文例 · 用例
暖かき草の上に二人が坐って、二人共に青絹を敷いた様な海の面を遙かの下に眺めている。
— 夏目漱石 『幻影の盾』 青空文庫
かくて水退きて後、件の鼠|青絹玉顆を捧げて、奴に恩を謝せしとかや。
— 巌谷小波 『こがね丸』 青空文庫
海森川義信貝がらのなかに五月の陽がたまつてゐる砂の枕がくづれると ぼくはもはや海の上へいたんだ心臓は波にさらはれ青絹の野原をきのふの玩具がうごいてゆく
— 森川義信 『海』 青空文庫
この首都の晴れがましい広場や白い柱堂、昔ごのみの記念碑やバロック風の寺院、ほとばしる噴水や宮殿や遊園などの上には、青絹の空が照り渡りながらひろがっているし、そのひろやかな、明るい、緑で囲まれた、よく整った遠景は、美しい六月はじめのひるもやの中に横たわっている。
— GLADIUS DEI 『神の剣』 青空文庫