一望千里
いちぼうせんり
名詞
標準
sweeping view of the eye
文例 · 用例
一望千里の滿洲の赤土の原、あかあかと夕燒にてらされ、ひとり馬で歩いて居る猫背の乃木將軍のすがたが、この眼に見えるのだ。
— 太宰治 『人物に就いて』 青空文庫
中国の山は立てり、東北の山は横はれり、紫苑の花萩の花女郎花もしくは秋草野花をもてかざりとなせる宮城野の一望千里雲烟の間に限り無きが如きは、独り東北の地勢にして中国に見るべからざるの広野なり。
— 佐左木俊郎 『文学に現れたる東北地方の地方色』 青空文庫
一望千里の哀感胸に迫る。
— 横光利一 『欧洲紀行』 青空文庫
幌向原野の泥炭地は一望千里の如く空しく廣がつてゐるが、早く大排水工事をやつて、地盤を乾したら、國家の爲めに多大の開墾地が出來ること。
— 斷橋 『泡鳴五部作』 青空文庫
そこは、一望千里という形容もない。
— 地軸二万哩 『人外魔境』 青空文庫
ようやく静まってきた波のうねりをみながら、一望千里、涯しない大洋の碧さに、甘い少年の感傷を注いで、スライドの滑る音をきいていたのも、忘れられぬ思い出であります。
— 田中英光 『オリンポスの果実』 青空文庫
一望千里、波浪と岩礁のみの荒磯も、その海底は千変万化で、海流に洗われて深く、浅くさまざまな現象を持っている、そこへ四季の魚が寄り、石ダイやブダイは同じ所に生棲し、鮑やその他の貝や、ウツボや海蛇と共に生活しているのであるから、理科学的に調査したら、恐らく凄じいものがあるだろう。
— 佐藤惣之助 『荒磯の興味』 青空文庫
「真実一路」は、特に、人生の幸不幸、肉親の愛憎、女性の宿命、更に偽りなき魂の昇華について語られた、深刻にして清純、波瀾に富んで、しかも、一望千里の趣を呈する大叙事詩である。
— 岸田國士 『山本有三氏作「真実一路」について』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4