偶像視
ぐうぞうし
名詞動詞-サ変
標準
idolization
文例 · 用例
――彼は、恋愛を(人生至上のものと思つたことはないが――)偶像視してゐる者であつた。
— 牧野信一 『小川の流れ』 青空文庫
私が、江戸川氏の作品に対して多分に見当違いでもあろう苦言を呈したことについては、怒る人があるかもしれないが、今日、文壇のどの一角にだって、探偵小説のグループにおける江戸川乱歩氏のように偶像視されている作家はありはしない。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
そして従来の作品だけで江戸川氏を偶像視するのは、する方はもちろんよくないがされる方だって迷惑であろうと思う。
— 平林初之輔 『「陰獣」その他』 青空文庫
広瀬中佐は日露戦争のときに、閉塞隊に加はつて斃れたため、当時の人から偶像視されて、とう/\軍神と迄崇められた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
広瀬中佐は日露戦争のときに、閉塞隊に加わって斃れたため、当時の人から偶像視されて、とうとう軍神とまで崇められた。
— 夏目漱石 『それから』 青空文庫
といふよりも、小町を偶像視した後代歌人に、僅かな歌が、大きな影響を齎した。
— 万葉集以後の歌風の見わたし 『短歌本質成立の時代』 青空文庫
今日の吾々が愛國武勇の熱情に感動するは、餘りに傳説的に、餘りに教訓的に、神聖視せられ、理想化せられ、偶像視せられたる東洋歴史中の人物の感化にあらず、彼等に比較すれば甚だ卑俗に、甚だ女々しく、要するに甚だ人間らしきワシントンやユウゴウの傳記に打れたる結果に御座候。
— 永井荷風 『新歸朝者日記』 青空文庫
『奥の細道』の如きも、頭から偶像視しないで、読んだら、芭蕉の常識的な風流心が今の目には愚かしく見えるではないか。
— 正宗白鳥 『月を見ながら』 青空文庫