死に別れ
しにわかれ
名詞
標準
文例 · 用例
といふのは、少年|時代に両|親に死に別れた一人つ子の青木さんは、僅かなその遺産でどうにか修学だけは済ましたものの、全く無財産の身の上だつた。
— 南部修太郎 『夢』 青空文庫
彼女は四十代で夫に死に別れて、それから女の手ひとつで五人の子供を育てあげたが、総領の娘は奉公先で情夫をこしらえて何処へか駈け落ちをしてしまった。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
しかし奉公中に悪いうわさが無かったと云うのは、徳次が探索の疎漏で、早く女房に死に別れたせいもありましょうが、年に似合わない道楽者で、方々の屋敷をしくじったのも皆それがためです。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
子もなく夫にも死に別れたその女にはどことなく諦らめた静けさがあって、そんな関係が生じたあとでも別に前と変わらない冷淡さもしくは親切さで彼を遇していた。
— 梶井基次郎 『ある崖上の感情』 青空文庫
七年前三十八年連れ添つた妻の瑚※尼と死に別れてから身内のものは一人も無かつた。
— 岡本かの子 『上田秋成の晩年』 青空文庫
終身|癒らない狂患者として親兄弟にも死に別れた京子が、三度目に嫁いだフランス人と離縁すると同時に、奥様に引き取られて以来、京子は世間とすっかり断絶して居る。
— ――二つの連作―― 『春』 青空文庫
あなたは、その娘さんを身内のものとも何とも考えず、ただ世の中に一人淋しく、母に死に別れた憐れな孤児が居るというところへ眼をつけて、労ってやりなさい。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
死んで、死に別れというような果ない手ではありません。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫