恐るるに足りない
おそるるにたりない
表現形容詞
標準
not worth fearing
文例 · 用例
三 第三巻の要項とするところは、人間精神の本性を論じこれもまた物質的なる元子より成るものであることを論じ、それから霊魂は死滅するものであるという事を「証明し」最後に死の恐るるに足りない事を結論するのにある。
— 寺田寅彦 『ルクレチウスと科学』 青空文庫
時に、日本軍の精鋭は平壌で殆ど尽きて、京城に在るは弱兵恐るるに足りない者許りであるとの諜報も来て居るので、如松は直に若干兵を開城に置き、李寧、祖承訓を先鋒として、自ら二万を率いて出動した。
— 菊池寛 『碧蹄館の戦』 青空文庫
滝口坑にしてからが、いつかはそうしたこともあろうかと、最善の防禦と覚悟が用意されていたのであるが、そして又そうした用意の前には、決して恐るるに足りない物なのであるが、しかしいま、係長の舌の上に乗ったこの水一滴こそは、実に滝口坑全山の死命を決するものであった。
— 大阪圭吉 『坑鬼』 青空文庫
野菜が少なかろうと、海で山越しの魚がなかろうと、もう恐るるに足りない。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
この通り、日本へ襲来する台風がどれもこれも、同じようなコースを辿るものとしたら、対策も立て易いし、被害なんか恐るるに足りないね。
— 豊島与志雄 『自由人』 青空文庫
目がさめて目を開いて彼らが見たところの「国家」さえ事実において善美を尽くしていたならば、彼らの目ざめはむしろ慶すべきことでこそあれ、なんら恐るるに足りないのです。
— 末弘厳太郎 『役人の頭』 青空文庫
外の事にかけては何をしても彼に及ばなかった私も、その時だけは恐るるに足りないという自覚を彼に対してもっていたのです。
— 夏目漱石 『こころ』 青空文庫
では恐るるに足りないかというとけっしてそうでなかった。
— 夏目漱石 『明暗』 青空文庫
作例 · 標準
例句