随喜
ずいき
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
deep gratitude
文例 · 用例
されば一|皿の菓子、一|盞の珈琲に、一円、二円と擲ちて、なおも冥加に余るとなし、我も我もと、入交り、立替る、随喜の輩数うるに勝うべからず。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
葉子は麻川氏と一緒に、X夫人の美を讃嘆して居ながら、何かにせものを随喜して居るような、自分を、麻川氏を、馬鹿にしてやり度いような、と云って馬鹿に出来ないような、あいまいな不愉快に妙に心持ちをはぐらかされた。
— 岡本かの子 『鶴は病みき』 青空文庫
室香はお吉に逢いてより三日目、我子を委ぬる処を得て気も休まり、爰ぞ天の恵み、臨終|正念たがわず、安かなる大往生、南無阿弥陀仏は嬌喉に粋の果を送り三重、鳥部野一片の烟となって御法の風に舞い扇、極楽に歌舞の女菩薩一員増したる事疑いなしと様子知りたる和尚様随喜の涙を落されし。
— 幸田露伴 『風流仏』 青空文庫
たとい唐のに響いたのか、其の意味がか、其の音声が乎、其の何の章、何の句がか、其の講明が乎演説が乎は、今伝えられて居らぬが、蓋し或箇処、或言句からというのでは無く、全体の其時の気味合からでも有ったろうか、寂心は大に感激した随喜した。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
事情が何も分った訳ではないが、女の魂魄とする鏡を売ろうとするに臨みての女の心や其事情がまざまざとの中にも断えず唱えられたろうが、定基の母にも恩愛の涙と共に随喜の涙によって唱えられたことであったろう。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
恩愛の情は母子より深きは無い、今そなたと別れんことは実に悲しけれど、汝にして法のため道のために渡宋せんことは吾も亦随喜すべきである、我いかで汝の志を奪うべきや、と涙ながらに許してくれた。
— 幸田露伴 『連環記』 青空文庫
飽かず、倦まず、撓まないで、客に接して、いずれもをして随喜渇仰せしむる妙を得ていて、加うるにその目がまた古今の能弁であることは、ここに一目見て主税も知った。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
そんな時は、寝白粉の香も薫る、それはた異香|薫ずるがごとく、患者は御来迎、と称えて随喜渇仰。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
作例 · 標準
貴重な仏像を拝むことができ、集まった人々は皆、随喜の思いで手を合わせた。
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彼の素晴らしい演奏を聴いて、観客は随喜し、惜しみない拍手を送った。
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長年の苦労が報われた瞬間の喜びは、まさに随喜の極みと言えるだろう。
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