小柳
こやなぎ
名詞
標準
文例 · 用例
また『春色梅暦』では、丹次郎を尋ねて来る米八の衣裳について「上田太織の鼠の棒縞、黒の小柳に紫の山まゆ縞の縮緬を鯨帯とし」と書いてある。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
現に半七はその年の十二月に、小柳という女軽業師の犯罪を探索して、初陣の功名をあらわしている。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
小柳という女の手口が鍋久の人殺しにやや類似の点があるので、半七はそれに比較して、鍋久の人殺しもお節の替玉であることをいよいよ確信するようになったが、ほかの仕事の忙がしいのに追われて、心ならずも投げやりにしていた。
— 大阪屋花鳥 『半七捕物帳』 青空文庫
まずこれで可しと汗を容れて心静かに後を跟けて、神田小柳町のとある旅店へ、入りたるを突止めたり。
— 泉鏡花 『活人形』 青空文庫
無地かと思ふ紺の透綾に、緋縮緬の長襦袢、小柳繻子の帶しめて、褄の堅きまで愼ましきにも、姿のなよやかさ立ちまさり、打微笑みたる口紅さへ、常夏の花の化身に似たるかな。
— 泉鏡太郎 『婦人十一題』 青空文庫
当時五歳の陸は、小柳町の大工の棟梁新八が許に里に遣られていたので、それを喚び帰そうと思っていると、そこへ鉄が来て抱かれて寝ることになり、陸は翌年まで里親の許に置かれた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
そして宴が散じて帰る途中で、保さんは陣幕久五郎が小柳平助に負けた話を聞いた。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫
取組は前から知っていて、小柳が陣幕の敵でないことを固く信じていたのである。
— 森鴎外 『渋江抽斎』 青空文庫