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重ね箱

かさねばこ
名詞
1
標準
文例 · 用例
屯食五十具、碁手の銭、椀飯などという定まったものはその例に従い、産婦の夫人へ料理の重ね箱三十、嬰児の服を五枚重ねにしたもの、襁褓などに目だたぬ華奢の尽くされてあるのも、よく見ればわかるのであった。
宿り木 源氏物語 青空文庫
行商人は、半襟を十枚ばかり入れたのが一函、昆布や乾物類が一函、小間物が一函、さまざまの乾菓子を取りまぜて一函といった工合に積み重ねた高い一聯の重ね箱に、なお、下駄や昆布や乾物等をも加えて、大きな背負包みに包んで背負って来るのであるが、それが一軒一軒に立ち寄って荷物を開くのではない。
――獄中手記―― 何が私をこうさせたか 青空文庫
そこには硝子蓋のついた重ね箱が積んであった。
海野十三 青空文庫
雨の日は広い宿屋じゅうがひっそりして、廊下に出ると、木端葺きの湯殿の屋根から白く湯気の立ち騰るのや崖下の渡廊下を溜塗りの重ね箱をかついだ束髪の菓子売りが、彼方の棟へ渡って行くのなどが見える。
宮本百合子 夏遠き山 青空文庫
店頭の上り框に腰かけて、自分でそこの桐の重ね箱をひき寄せ、根掛けを選んでいた。
吉川英治 新編忠臣蔵 青空文庫