魚服
ぎょふく
名詞
標準
文例 · 用例
私が東京に於いてはじめて発表した作品は、「魚服記」という十八枚の短篇小説で、その翌月から「思い出」という百枚の小説を三回にわけて発表した。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
昭和八年、私が二十五歳の時に、その「海豹」という同人雑誌の創刊号に発表した「魚服記」という十八枚の短篇小説は、私の作家生活の出発になったのであるが、それが意外の反響を呼んだので、それまで私の津軽訛りの泥臭い文章をていねいに直して下さっていた井伏さんは驚き、「そんな、評判なんかになる筈は無いんだがね。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
「魚服記」を発表し、井伏さんは、「何かの間違いかもわからない」と言って心配してくれているのに、私は田舎者の図々しさで、さらにそのとし「思い出」という作品を発表し、もはや文壇の新人という事になった。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
魚服記に就て太宰治 魚服記といふのは支那の古い書物にをさめられてゐる短かい物語の題ださうです。
— 太宰治 『魚服記に就て』 青空文庫
その上から漁師の子が自分の衣を脱いで擲ち、あまねく夜叉の体を覆うと、狗ども夜叉を人と心得、寄り集まって食い尽したとある処が、白竜魚服して予且に射られた故事に似て居る。
— 犬に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
白竜魚服すれば予且に苦めらる。
— 内田魯庵 『貧書生』 青空文庫
然し十年前の「魚服記」(これぞ晩年の中にあり)は、すばらしいじゃないか。
— 坂口安吾 『不良少年とキリスト』 青空文庫
「魚服記」、「斜陽」、その他、昔のものにも、いくつとなくあるが、近年のものでも、「男女同権」とか、「親友交驩」のような軽いものでも、立派なものだ。
— 坂口安吾 『不良少年とキリスト』 青空文庫