瑩
瑩
名詞
標準
文例 · 用例
雨後すぐに真白に冴えて、夕陽に瑩光を放っている椰子林の砂浜に出た。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
骨の中の髄漿と申しましょうか、明瑩々、玲瓏そのものであります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
此地の瑩域は、高き石垣もて水面より築き起されたるさま、いにしへのノアが舟の洪水の上に泛べる如し。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
幸子は既に卒して、法諡を瑤津院殿瓊山妙瑩大禅尼と云ひ、祥雲寺に葬られた。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
明日帰りて委細不承候内は、往来|上下人足の沙汰計、書状も瑩々とわけきこえかね候故、確然は得信可申上候。
— 森鴎外 『伊沢蘭軒』 青空文庫
かれの父の瑩という人に一人の愛妾があったが、母は非常に嫉妬ぶかい婦人で、父が死んで埋葬する時に、ひそかにその妾をも墓のなかへ押し落して、生きながらに埋めてしまった。
— 捜神後記(六朝) 『中国怪奇小説集』 青空文庫
湛然として音なき秋の水に臨むが如く、瑩朗たる面を過ぐる森羅の影の、繽紛として去るあとは、太古の色なき境をまのあたりに現わす。
— 夏目漱石 『薤露行』 青空文庫
柄には緑色の玉を獅子頭に彫みて、象牙の如く瑩潤に白き杖を携へたるが、その尾をもて低き梢の花を打落し打落し、「今お留守へ行きまして、此処だといふのを聞いて追懸けて来た訳です。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫