禁札
きんさつ
名詞
標準
signboard bearing a prohibition notice
文例 · 用例
綱が禁札、ト捧げた体で、芳原被りの若いもの。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
麓から上ろうとする坂の下の取着の処にも一本見事なのがあって、山中心得の条々を記した禁札と一所に、たしか「浅葱桜」という札が建っていた。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
鴎外を難解な、深遠のものとして、衆俗のむやみに触れるべからずと、いかめしい禁札を張り出したのは、れいの「勉強いたして居ります。
— 太宰治 『女の決闘』 青空文庫
無暗な者が採りますと、どんな間違になろうも知れませんから、昔から禁札が打ってあるのでございましょう。
— 泉鏡花 『薬草取』 青空文庫
うむとさて、勇気を起して、そのまま駆下りれば駆下りたでありますが、せっかくの処へ運んだものを、ただ山を越えたでは、炬燵櫓を跨いだ同然、待て待て禁札を打って、先達が登山の印を残そうと存じましたで、携えました金剛を、一番|突立てておこう了簡。
— 泉鏡花 『星女郎』 青空文庫
」 祖父の筆蹟で、何々、べからず――と誌されてある禁札の立札のうしろに鯛ちやんが顔をかくさうとしたのを、僕が颯つと引き寄せると、倒れる立札をつかんだまゝ鯛ちやんは、掘り散らかされた樹の根に躓いてどうとよろめいた。
— 牧野信一 『肉桂樹』 青空文庫
賄賂止めの禁札があるな。
— 京へ上った退屈男 『旗本退屈男 第四話』 青空文庫
よいよい、禁札破り致すのも江戸への土産になって面白かろうぞ。
— 京へ上った退屈男 『旗本退屈男 第四話』 青空文庫